祈ることを忘れたのはいつからだったんだろう/
まさたか
ある日僕は泣くことを憶えた
僕は
手をせいいっぱい伸ばして
大声を上げて
あなたを呼ぶのだけれど
僕は
あなたの名前を忘れてしまう
生まれる前から
知っていたのに
あなたのことを
知っているのに
この6月の雨に
すべて流されてしまう
いまは
それがとても悲しい
戻る
編
削
Point
(1)