祈ることを忘れたのはいつからだったんだろう/まさたか
 


ある日僕は泣くことを憶えた


僕は
手をせいいっぱい伸ばして
大声を上げて
あなたを呼ぶのだけれど
僕は
あなたの名前を忘れてしまう
生まれる前から
知っていたのに
あなたのことを
知っているのに
この6月の雨に
すべて流されてしまう



いまは
それがとても悲しい




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