うろこぐも/えめらるだす
 
 落ちてしまった君の声なんて
 神様はただ見ているだけなのに。
 
 今日もその艶かしい白い喉を
 風をきって声は響くよ
 
 どうか、どうか、僕にだけでも
 
 水のやりすぎで枯れていった花で花壇はいっぱいで
 途方にくれた僕の足元には君の影しか存在しないの
 
 あおいそらは、いつしか灰色の傲慢さで覆われていく
 
 澄んだその風の奥で、いつもきみの歌を聴いているよ
 だから、せめて、もうすこしだけ

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