自殺者の山と来るべき世紀/ふくだわらまんじゅうろう
 
追ってみるのもよいのであって
何が善いとか悪いとか
そんなことよりも命の行方というものは
それはまったく、まるで精子のようなものであって
まっすぐにまっしぐらに卵子目指して一直線に走る命もあれば
まったく明後日の方角にひた走る命もあり
やる気のひとかけらも見られずうろうろする命もあれば
まるっきり死後硬直のようにぴくりぴくりとしか動かない命もある

それなのに
なぜ
あなたは生まれこなければならなかったか
わたしは生まれこなければならなかったか

そこには死神と天使のジャンケンポンで片がつくような
簡単で単純な法則はない
命の壁を破ってひた走る
走り抜く走りと
[次のページ]
戻る   Point(3)