自殺者の山と来るべき世紀/ふくだわらまんじゅうろう
ほんとはこんな命題で書くのは不本意なんだけれど
それでも立ち向かわなければならないんだ
そんな勇気を
一握りでも
死にたい人間のすべてが自殺を
成し遂げられるわけではない
死に損なった者もあれば
死に切れなかった者もあれば
死そのものに恵まれなかった者もあるだろうし
「死のう」と思い立ったその日に
通りに面した博多らーめんの店の暖簾に
その暖簾の、そよと風にそよぐ、その様に
手招きされて
招かれて
渡り損なった三途の川もあるだろう
だけど俺は、この段階で
それは少々場違いであったりするかもしれなかろうが
こう言いたいのだ
自らの
自らの命を決し得
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