強い陽射しに溶け出したシミ/涙(ルイ)
もあの老人を避けるように
足早に通り過ぎていくけれど
あの人々を あたしは責められない
あの老人を あたしは直視できない
きっと 誰のせいでもない
誰も悪いわけじゃない
そう思わなきゃやってられない
誰だってさ 好きで悲しみを背負ってるわけじゃない
いつの間に背負わされて降ろすことも許されず
だから仕方なく抱え込んでるだけの話じゃないか
誰だって幸せになりたいのは同じじゃないか
いつの間にか選んだり選ばされたりしてきた道が
いまの自分にたどり着いてるだけの話で
それが間違いなのか正解なのかは
誰にもわからないし誰にも決められるわけがない
考えたらたまらなくなってしまって
胸焼けしそうな思いを必死でこらえながら
ただひたすら
薄くなったコーヒーをすすったんだ
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