暗い窓辺に ★/atsuchan69
破滅へ導かれても
尚、不確かな明日を信じている
爽やかな夏の朝の始まりが、
――ふたたび
此処へやって来るのだと
誰もが、きっと誰もが )))
千切れた雲が忽ち、
素早く流れては消え
低く、獄舎を覆った妖しい空を
ただ雲は虚しく千切れ
標もなく、何処へと
遠く彼方へと流れ去り
現れては、忽ちにして消えてゆく
盲信しよう、
いつかこの暗い窓辺に
おまえは必ずやって来て
甘く優雅な薫りとともに
艶やかな唇に花言葉を添えて
白い梔子を飾るのを
煌びやかに移ろう日々と、
大きく開け放った窓から覗く
狭い町並みが迷路のように連なり
始終、安穏とした空気にみちて
清しい朝の眺めが、
微塵の痛みもなく訪れることを
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