小さな小さな女の子/蓮沼 栞
泣いた。小さなサリナは口足らず
言葉足りないと
ねぇ、何も伝わらないね
そう言って流す涙
君の全てを物語っている様に感じた
僕は君の全部を知ってるよ
意地っ張りな膨らむ頬
頑固な眉に、「へ」の字に曲がった唇に
まだまだあるね
その繊細に細く美しい指に、強く意思を感じる瞳
華奢と言えば聞こえはいいが、壊れてしまいそうな程弱いカラダ
僕は知ってるよ
君は誰よりも優しくて
誰よりも思いやりを知っている
汚れの無い君は
僕にとったら…
「えっと‥例えればタンポポみたいな…」
君はそれを聞くな
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