一七歳の僕がいてー高校時代-/狸亭
ポエム・ライブラリイ 3
僕の詩の先生は 村野四郎(五四)三好豊一郎(三五)岡本潤(五四)
田村隆一(三二)金子光晴(六〇)長島三芳(三八)小野十三郎(五二)
深尾須摩子(六七)田中冬二(六一)山之口獏(五二)西脇順三郎(六一)
新潮文庫に堀口大學訳のランボー詩集があり
酔ひどれ船に酔ったのもこの時代
ランボーは僕の恋人だった
満五〇歳になってみて
高校時代を振り返り 眺めていると
そこには一七歳の僕がいて 五〇歳の父親をみつめている
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喉をぐびり鳴らす
五十年の皮膚のたるみにコップ酒がわびしい
眼球はあおぐろくよどんで
にぶい許容の色だ
しわよった未来の
足音がしている
(一七歳の詩「傍観」)
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