優しい声/kiri
 
乾いた指先は死の前触れ 曲がった爪が擦れる音は最後の扉が閉じる音
何故こちら側が地獄なの 内側が表だと信じていたの
息を止め耳を塞いでもひび割れた錯乱が体中を食い荒らす
私はもう限られてしまったのに

でもそれは終わってからしか気づけないの
だからもう手遅れだなんて言わないで 指先だけを追わないで
もう一度だけ叫んでほしい
大丈夫 世界はあなたが思っているより柔らかいから
爪を立て 力いっぱい引っかいて
どんな壁でも傷になるから
私は必ずそこにいるから

あなたは少しだけ強くなれる  
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