亡命前夜/
within
僕はためらっている
この線を踏み越えれば
新たな自由と新しいルールが
一塊の石礫ほどの重みとともに
待っている
逃走の線からも逃れ
逸脱を繰り返し
棄てられるものは全て棄て
もう何も残っていない
この一本の線を踏み越えて
連なる未来の領土に
踏み込めるのか
孤独という新しい記号を附され
通り過ぎていく現在という網に
囚われてしまわぬよう
僕は約束の円環を外した
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