、何度でも/百瀬朝子
 

掛け違えたシャツのボタン
気がつくことなければ
それでも幸せだっただろう
、なのに
、ああ
気がついてしまったの
あの子の幸せはあたしの幸せにはならない

目をつむって
眠りにつく瞬間みたいに
そっと
閉じた心
そっと
君にだけ
見せてあげる
あたしの汚れたところまで

あ、でも
きれいなその手で触ってはダメよ
あたしがゆれるから
ゆれてしまっては
君に心
、傾いてしまうから

夜が明ける
、何度でも
白んだ窓に
未来を感じる
、何度でも
浅い呼吸をくりかえす
地球の自転にあわせて
ゆっくりと
、しかし確実に

頭を抱えたあたしは
夜に沈めて朝を迎える
そう、何度でも
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