、何度でも/百瀬朝子
沈んでいた言葉がいま、動き出す
オート構築されてゆく
この手でつくりあげた方程式も
組み替えられていく無情
あたしは頭を抱えているだけ
記憶はつくられた意識の中
あたしらの足跡は風にさらわれていった
もう思い出すこともないだろう
それでも消えない胸の痛みに
どこかホッとしているマゾヒスト
飼い慣らした感情に
芽生えた反抗心を摘みとって
君に投げた
嫌いなあの子より
一段上の幸せがほしい
あの子が望んで手に入らなかったもの
今はあたしの手の中に
、なのに
あまり幸せな感じじゃないの
どこかで何かを間違えたニヒリスト
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