夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)/rabbitfighter
 
まま
さっきよりはもう少し正気で歩けるつもり
それは午後の3時
渋谷スクランブル交差点

違う女の子と寝るたびに増えていった癖が、
染みのように、染み付いて、しばらくたつと、滲む
しみったれていく
濡れやすい女の子たちとのあまりにも簡単なセックスのせいで
指先は愛撫を忘れてしまう
音楽が止んだあとの静けさ
回転する機関が繰り返す雑音
クラクションやサイレンが
アドリブで切り込んでくる真夜中の公衆電話
君の吐く息はたぶん湿っていて
結露していく
小さな明るい窓
道に迷ったのだと、君は泣きながら
だけど僕のほうでは
とっくに君の事を見失ってしまっているから
すま
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