覚醒の産声/こめ
 
かんだかい悲鳴で目が覚める

でもそれはちがかった

醒めたのは覚醒の産声

もう後ろには下がることが

できなかった

今まですれ違った人達は

世界の何%だろうか

今の自分は世界の何%だろうか

考えるだけで答えは出さなかった

もし答えをだしてしまったら

そこでなにもかもが壊れてしまいそうな

気がしたから

そんなことを考えて

僕は帰路の道を歩き

電車から見える川の太陽の反射を

手で隠し目を細めていた

日は沈みまた浮き上がる

その繰り返し

まるで自分を写すような

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肯定する
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