思い出の宿る場所/麻生ゆり
忘れることのできない
温かな安らぎで満ちあふれている
ただ違うのは
隣にあなたがいないだけ…
あまりにも切なすぎて
車1台がぎりぎりのあの小道を
あの木造のアパートを
訪ねることはできなかった…
だけど私はこの街を
あのとき育てたあなたとの愛を
記憶から消すことはできない
今は遠いあなたは
このどこかしょんぼりとした街を
私を
思い返すことがあるのでしょうか…?
あなたと住んだこの街を
いつかあなたと
笑い話に変えられたらいいと
今
切に願う
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