友へのてがみ/あ。
 
きっとまだ
折り返しにすら着いていないと思う

それでも
人生の半分以上
きみがいた

裁縫の授業が苦手で
いつも居残りしていた
なかなか針が進まないわたしを
いつもこっそり手伝ってくれた
自分でやったところが下手すぎて
結局先生にばれて怒られたけど
本当に助かったし嬉しかったんだ

おんなのこだけの学校で
華やかな恋の話を咲かせ
デートをしていた級友を尻目に
わたしたちは放課後まで教室で
黒板に落書きばかりしていた
夕焼けが細長く入り込み
その居心地のよさに
いつまでも笑っていた

それぞれ別々の大学に進み
毎日会うこともなくなった
それでもた
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