「旋律」/
ベンジャミン
いきをおくれなかった
それでも
ぼくのなかでは
たしかなせんりつがながれていて
それはどこかなつかしい
そんなきがした
フルートは
もうながいことしまったまま
クローゼットのおくに
あのころのこころのなかに
しまったまま
だけど
ときおりぼくは
まるでくちぶえをふくように
みえないフルートの
それににた
きれいなぎんいろの
とうめいなおとをふくために
それににた
きれいなことばをあつめて
そっと
ふく
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