ソレイユ/夏嶋 真子
がってしまいそうに感じても
いつか本当に笑うために
どうか 今 笑って 」
太陽という名を持つ花は
光の輪郭をもっているから
真上をあおいでは咲かないのです
同じ背丈で向き合って/まっすぐすぎる視線をそらしてはくれず
笑いかけてくるのです
あの太陽に誰もが射抜かれている
だけどどんな笑顔も
向日葵の花びらで できているから
ぎこちなくキシキシとほほえむたびに
ソレイユはくちづけをくれるでしょう
いつか
自嘲するひとりきりのベットから
起き上がって
カーテンを開けるとき
日なたの味のする舌が差し込んで
そのくすぐったさに
あなたはきっと笑うのです
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