ソレイユ/夏嶋 真子
 

太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っていて
「笑って」
と、ほほえみかけてくるのです

大切なものを失って
すべてを噛み殺して
悲しみよりも深くたたずむその人の
かすかな ほほえみに

光の輪郭が咲いたのです




太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っているけれど

中心にいくにしたがって
焼け焦げていく渦

最初の/最後の一点は
漆黒の闇でできているのです


おさえきれない愛しさ
はかりしれない苦しみ
やがて感情を
麻痺させてゆく虚しさ

何もかもが烈火の中で
混ざりあった色/黒点を持つ花は
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