『疎マシクモシラバックレル日常ノ窓枠』/Leaf
 
云うに事欠いて

波動と粒子の二重性についてとか

矛盾許容論理についてとか

それぞれの箱庭に追想を重ね

非現実との狭間に浮遊する彷徨ひ人を羨む

磨り硝子に映り込むこともなく

バックスピンかけながら前方に放るそれは

渾身の力で振り搾った魂の塊り

必ずや、必ずやと

手元手繰り寄せるように

両手いっぱいピンと伸ばす

それでも

一旦放したそれは攪拌された大気圏内を充満し

排気混じりの外気を思い切り吸い込んではまた吐き出す

汚れていくけど磨り硝子の向こう側

何かに阻まれ

何かに遮られ

見えるようで見えない窓枠
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