揺さぶる生命/笹子ゆら
欲する甘い誘惑も
……深く溺れるのは、要らないと思っていた、誰かのせい よ
(なんにも欲しくはなかったはずなのに)
心の奥底に眠る好奇心に負けて動いていた
(小さな囁きに鳥肌すら立てていたのに)
その誤魔化された視線を掴み取りたくて
この世に価値なんて見出していない
生まれたくもなんともなかった
そう思えれば十分だった
これが夢であればいい なんて意味が無い
わたしだけだとくだらない
火照った身体をあなたに任せたのは
ほんの 冗談のつもりだったというのに
誕生してから十数年、どうして今更、揺るがすの
戻る 編 削 Point(1)