Night/百瀬朝子
輪郭を確かめる
すこし欠けた月は
これから膨らむところだろうか
これから欠けていくところだろうか
あたしの心は孤独で欠けていくところ
あたしは今夜もひとりぼっちです
涙で滲んだ星はきらきらして綺麗です
欠けた月も滲んで満月に見えます、ああ
やっぱりあたしはひとりぼっちです
この涙が拭われることはありませんでした
夜の闇に絶望が浮き上がる
黒い輝きは希望を飲み込んだ
それでも孤独はぴったりとあたしに寄りそっているから
夜の仕業だと甘んじて
静かにまぶたを閉じなさい
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