救われない命とその後遺症について/涙(ルイ)
救われない命は繰り返される
救われない命は繰り返される
そしてまた
私も同じ
テレビの前で憤るだけの
なにもしないただの傍観者
こんな詩を書いてひとりでよがってる
自分は違うんだと思いたがってる
聞こえてるのに見えているのに
何も届かない何も響かない
ただ自分が傷つかないための逃げ道ばかり探してる
それでも
そうだとしても
やっぱり書かずにはいられなかったんだ
誰かを救いたいなんて
そんな偉そうなことは云えないけれど
なにかを考える前に体が動いている
そんな人間になりたいと
ふみつけられた者の行き場のない怒りや
笑顔に裏打ちされた涙のあとさきや
繰り返される悲しい過ちや
助けてって声もあげられずに死んでいった小さな命や
過去や未来や今や
自分の弱さずるさ卑怯さすべてひっくるめて
見えるものからもう目をそらさないように
聞こえる声に もう耳をふさがないように
ちゃんと
ちゃんと
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