柔らかい/モリマサ公
 
為の中で
あんまり動かさないで
感じて
今も
またそんなふうに風の止まった瞬間めいた場所で
繰り返される絶望の苦みに
震えないよう体中の筋肉に力をいれて
薄く笑いながら奥歯にちからを込め
四角く区切られた垂直なビルたちの隙間に
失われながら雲が染み込んでいく空を
あと一枚てゆーか
せめて最後にあと一枚ってかんじでひきはがし
ひきはがして重ねきれないほど
重ねてその深い輝きを砕き
重ね
深い
あきらめに似たちんけな悲しいため息のあと
そのかけらをばかみたいに吸い込み息を止め
ひとみを閉じないでしてきたあらゆる行為の残像とその
輪郭の様に見えている地平線のリアクションに困り
てゆーかここからさき全ての道のりという名前のアスファルトに
また話しかけてしまう





 
戻る   Point(2)