四畳半キムチ/ふくだわらまんじゅうろう
ど
すぐに辞めるのは悔しくてな
なんだか、つづけちまってたんだよ
仕事が終わるのは、たいがい、遅い時間だった
仕事が終わって駅から歩いて
四畳半の狭い部屋にやっとたどり着いて
とにかくシャワーで汗を流して
その仕事ってのが、以外に肉体労働でさ
シャワーって言っても共同のシャワーだよ
電話ボックス程度の大きさで
そのシャワーの水道代もガス代も入居者全員で頭割りなんだから
使わなきゃ損てわけだ
それに近所に銭湯もないし
とにかくそのシャワーを浴びるわけだけど
もう、疲れてて立ってられないのさ
シャワーボックスの床にへたりこんで
まるで土砂降りのスコールの中で行き倒れたみ
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