バスの墓場/コーリャ
 

 この星系のどこか
 色でけずったメタンガスにちかいどこか
 バスの墓場がある
 何億台もかさなりあって絶命している
 すすけた錫がキーンと光っている
 純粋だと主張する天頂方向に

 銀河中をdetourしてきた
 鳥類たちはその存在のことをしっていて
 住むこともあるが
 たいていは一夜の宿をもとめて
 酸化した天井に列なっている

 いまでも座り心地のよいソファには
 思い出とよばれる人々がすわっているが
 次の停車駅でボタンをおして
 おりていってしまう

 古参のバスは植物園になっている
 ドレミでしか発音できないなまえの
 植物が蔦を伸ばして
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