ぼくのおはなちゃん/アヅサ
あお空のちいさな骨の
こすれる音がする
女の子のむらさき色の
お花の匂いのする髪の毛のさき
ちいさなしあわせが
ふりつもるようだね
ほそい指を
土曜日の陽の光にからませて
ふてきに笑った
女の子にこわいものなど
ひとつもなかった
外国の洒落たお菓子に埋もれて
窒息しそうになっても
愛する男の子の名前を呼んで
すぐに飛ぶことができた
女の子にとって
男の子が世界のすべてだった
空から降ってくるちいさな骨を
あつめてあつめて
海に浮かべて遊んでいた
男の子がいなくなった世界は
ビスケットを砕くように
端から壊していくと決めていた
すべてを知った顔をして
涙はうすい花びらにかえて
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