だって、あなたはスーパースター/百瀬朝子
後に
心地よい眠気に釣られて思わず出るような
そんな種類のあくびをしたときに滲む涙を思わせる
世界一やさしくて、世界一あたたかい
無意味に
ただ流れる涙に
その意図を知りたくて
本当はもう知っている
傷つくのが怖くて
傷つけて嫌われるのが怖くて
見て見ぬふりをしてきたんだ
気づかないふりをつづければ
スーパースターのあなたは永遠に
何度でも少女を助けてくれるから
それは無意味で、
少女は大人になる
スーパースターのあなたも
少女だったわたしも
過去に閉じ込めて
少女は大人になる
成長に歯止めなんて利かなくて
わたしはゆれる
ゆれているんだ
だって、あなたはスーパースター
所詮、夢の中
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