スペクトル協和音/北街かな
 


全てが光にも闇にも区別されず、色のない無数の点の群れに見えるのを知っているか。



どっちが空か指を指すのもためらわれ、震えて何も出来ぬまま

ふと
キミの爪先が
落とした涙をつま弾く
「ここが地上だ」と
聞いたことの無い音色で
奏でてみせるに違いない。

歩き出せば律動し、呼吸は旋律となり、
爪先と涙と道端の花は
愛しいヒトと似た声で、輪唱するだろう。

空に向かい、高らかに。
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