鮮やかさに、ヤラレタ。/田島オスカー
寝をしている
屋外は寒い
不貞寝をしているであろうあいつを思うとなお寒い
しかしそれは愛情の大小の問題ではなくて
きっと 鮮やかさだ
気温が低いと身震いするほどあいつは鮮やかになる
這い回るのはいつも胸の中で
かぶさってくる時の熱は 妄想の中 寒さに負ける
あの人の指輪を捨てたのは単なるやきもちだということに
本当は気付いてはいけなかった
あまりにあいつが鮮やかだったから
それは言い訳にはならないよ
ああ、泣く、鮮やかさに負けて。
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