生命という音/ひな
 
ある朝 目が覚めたら
世界が昨日までと違っていることに気付いた

窓の外で鳴く小鳥の声も
カーテンの隙間から漏れる朝の光も
そして私の隣で眠るあなたの存在も

「ありがとう」
そんな言葉が自然に出た
全ての生命に
この世のあらゆる存在に
感謝したくて堪らない
胸の奥から湧き出るこの想い

トクンッ
私の中で感じる私じゃない命の音
聞こえる筈もないのに
確かに感じた その温もり
新たな生命の誕生を
妙な確信で納得する私

「ありがとう」
それしか出てこない
「ありがとう」
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