恋愛詩は書かない/キリギリ
私は恋愛詩は書かない。
そういうのは間に合っているから。ているから。まかす。
誰がどう、ジューサー/ミキサーで「混ざり合ったね」「合えないね」と
呟いていても。まかす。
擬音のように表わすならば「シバー」という感じに溢れ出る詩場。
人は坊ちゃん刈りにした時、詩を書き始める。
郵便局でバウンドしている妊婦を見た、午後。
心ー脳(こころのう)。心はお腹に勝てない。
パヒュームの、あの、あの一番アグレッシブそうな人、
あの人を犯したい。これは恋愛詩ではない。
野球帽を被った子供の頭が レフトスタンドを越えた頃。陰鬱。
努力は健気なのよ、と何時か家庭教師が言った。
煮られたレバーつまり煮らレバ。ツーストライク二死満塁。
ほどけてねっく。ほどけてねっく。ほどけてねっくと女は言え。
シンガポール行きの飛行機が夕日に沈む日本海。魚たちは
突然のごちそうに目を輝かせている。幽体離脱した。
カレー餡。カレー餡。パンマン。ヒステリックに笑う熊。
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