砂浜/
松本 涼
見えないくらいの
細かい雨が降っていた
砂浜で足音を忍ばせていた僕には
とても好都合だ
しかし砂浜はいっこうに雨を吸い込まない
人工なのだ
海は僕と雨に備えて
ずっと前から用意をしていたらしい
海はいつになれば
僕を受け入れるのだろう
僕は次第に
失なわれていくというのに
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