初潮/こだま千鳥
 
わたしの
夜中はいつも乾いている
雨かもわからないさめざめと泣く音の傍らで
ちいさな落雷
こわくなんてない
わたしはしらないのだから


ガサガサと音をたてて
わたしが膨らんでいく
まるで
まるで

まるくまるくふくらんで
ペシャリと潰される

わたし
かみぶくろ

(ここで私がさめざめと泣いている


くりかえす


こわくなんてないんだ
ただしりたくないだけ
私はくらく せまい 箱の内側

わたしは
わたしの
紙袋を膨らませて
潰す


あかないよ
らちが
あかない

だってしりたくないのよ


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