仄かな光/kauzak
 
信号待ちの車の中

ふいに
シチューの匂いが

忍び込んでくる

こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど

走り出した車の中
すべては押し流され

もはや確かめる術もない



家路を急ぐ電車の中

つと
上げた視線の先に

瞬く星があった

視界には納まりきらない
高みに
ぽつんと

名前を知る
知識も手だてもないけれど

その輝きを見ている
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