ボトル・ランゲージ/汐見ハル
ぼくの 内側には
ふたつのいろをした
無数のコトバが はりついていて
ぼくは それを通して
世界を みている
ぼくのお弁当のスウプをみんなわらった
カバンをぬらしたときなんかそれみたことかと
おいしいのもしらないくせにみんなわらった
先生だけがうらやましいって言ってわらった
だから あげないよって ぼくもわらえた
残さなかった
(Toi la nguoi…)
世界はいつも
半分ずつ
かわりばんこに
ぼくに かがやいて
(ぼくは、)
カタカナで書いたぼくの名前を
生まれた国の発音
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