正夢。/ゆきちゃん。
 

もう、ない。
幸せに順番をつけるような真似はバカみたいだけれど
あの日々は圧倒的に一番だった
(一番って、嫌な響きだ。漢字もダサイし)

あの男ともう一度最初から出会えるのならば
私はあの男を幸せにしてあげなければいけない
幸せ、とは?

私は社会人の
よく知りもしない男に抱かれながら
もう二度と手に入れることのできない
甘さを、切なさを、
味わっているふりをしている

あの男の「今」には興味はないけれど
私と一緒にいたころのあの男は
何を考えて 何を思って
私と一緒にいてくれたのだろう
あの男がいなくなってからの私は
わからないんだ。すべてが。
どう
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