ベッドタウンの見えざる窓/プテラノドン
 
これが夏じゃなけりゃ最高なのにとも。

ほどなく、住宅地と化した後でも、僕らはそこを通りかかるたびに
気にかけていた。一つきりの窓を通じて。願わくば、
立て壊しに立ち会った家族が 見えざる窓の存在に
気づいたことと、自らの魂を覗き見たことと思いたい。
そしてその窓から覗き見る僕らの魂は かつてはあった
町外れの石材置き場の冷たい墓石の上で

まとわりつく蚊と、笑い声と、煙に邪魔されながらも
寝息を立て眠り続けていると、
思いたい。


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