ささくれがしおれるまで/石川和広
まるんだ
ねむれねえ
なんかうまくいってねえんだ
ねむれねえ時間をつくったり
ねむらせない何かや
自分がいるんだ
それは一日では
解決しねえか
一生かかってもわからないかも
とにかく今日だけの
それだけの仕事しか俺らはできねえから
無限に
できることが
伸びつづけたら
ここがどこだか
わからなくなる
だから限りがあるってのも
すげえことだよなあ
疲れたら息を抜くしかねえなあ
それくらいおれらの身体は
うまい具合にひ弱に
できているの
かもなあ
だから布団はなるべく干して
風呂に入って
冬を生き延びるしかないのかなあ
そんなとき
身を投げる敷布
身にかかる掛け布の一枚もない
誰だろう
そんな人のことが
シピシピと気がかりに
なってきた
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