詩片H ?/土田
みが砂をゆっくりと吐きだす
ぷふぁ、ぴあ、ぽふ、ふふふふ
ボウルの水面の泡の音をかき消して
やかんの汽笛が出発をつげる
マグカップにインスタントコーヒーの粒と
大さじ三杯分のシュガースティックを乱暴に入れ
なみなみと華氏一八〇℃の熱湯を注ぎ
ぼくはミルクを探しに再びコンロに火をつける
20
布団は高級羽毛がこれでもかというぐらいに詰め込んである
千羽の名も知らない鳥たちの羽が
二十四面に区切られた布のつなぎ合わせのなか羽ばたいて
まいにち夜をささやき朝をつげ
ぼくたちの遊びをそっと隠す
寝台はけして軋むことはない
軋んでいるのは
わけもなく軋んでいるのは
ずっ
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