アンフレグランスド/aidanico
 
かでは消すことの出来ない僕の一部なんだ。男性用の香水の瓶は決って四角くて、ラベルのシンプルなものが多くてうんざりしているのだけれど、部屋にばら撒いた香りじゃなく瓶だけ持ち運ぶのには、クロエのシックなリボンだろうがアナスイのカーヴィーなボトルだって関係が無い(あくまで主張をしたくなければ、だけれど)。青314や緑405の表示よりも、ヴァニラ・アイスのような黄105のほうが魅力的な男性だって履いて捨てるほどいる。それでもそれが作られないのは、虹色の香水が発明されないのと恐らく同じ理由だろう。月が綺麗で、それに照らされているあなたの足の脛が綺麗で、それらが作り出す翳が矢張り綺麗だと思えるのは、僕の頭のてっぺんからつま先までが香りのつけられていない唯一のものだと信じたいのです。きっと、
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