売々/土田
わと光る街を、ふたりは繋がって抜けてゆくのでした
あなたさまが踊りたいといって、手をむしりとったので、わたしもあなたさまの手をむしりとって、ふたりはなすがままとおくとおくへと、外套はなくともたがいの昇ってゆくしろい息を纏いあって、食べものはなくともたがいのむしりとった手をわけあって、財布はなくともわたくしはきっと良い人が高値で買ってくださるきがして、街の石畳はまだとおくとおくへとふたりが望むかのように続いて、今度はふたりのその繋がりに針を落とし抜けてゆくのです。
2006/10/24
戻る 編 削 Point(0)