誕生はまだか、誕生を知っているか、誕生を、誕生のことを/ホロウ・シカエルボク
うと目論んでるのか…違う歌なんだ、生まれるものはすべて…そこが終点でないことを理解している限りは
形を変え続ける湖だ、そこには時々毒の魚だって住む…ひどく手足が痺れてしまうけれど諦めなければ死ぬようなもんじゃない、追い込まれるぜ、だけどひどく追い込まれる、きっと…一秒先には真実がそこにはないんだから―来る気はあるかい、手を取ったりなんかしないぜ、先に行くも、後ろにつくもお前次第だ―仲間なんて言葉で呼ぶなよ、俺の本能は俺にしかないものだ、速さや、緻密さや、激しさや、悲しさに、新しい名前を付けていくんだ、過去を食らい、殺しながら…いくつもの死骸を踏みつけて、慣れた臭いを嗅ぎながら新しい景色を見る、その瞬間きっと光は差すはずさ、その瞬間…
新しい芽は必ず地殻を突き破って、誰も聞いたことのない産声を上げる、その時こそ俺は誕生と叫ぶのだ、見ろ、俺の命がある、俺の鼓動が…
新しい歌を歌う覚悟はあるか?
戻る 編 削 Point(2)