私が私であるために/涙(ルイ)
つ潰れたって足りやしないわ
とうさんもかあさんも
私が生まれたことを
ちっとも喜んでくれなかったんだから
誰もかれもみんな自分のことばっかりよ
相手を思いやるなんて
そんな余裕は あの家にはなかったわ
緊張状態から解放されるために
それ以上の悲しみが侵入しないように
心を凍らすことでしか
自分を守れなかったの
過去はいつだって私を捉えて離さない
夢ゆめうなされて目を覚ませばひとりきりで
夜は思ったよりも長いってことを
これでもかってくらい思い知らされたわ
自分を嫌いになったこともあったわ
受け入れられない自分なんかいらないって
やけっぱちになったことだって
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