サマセット・シケイド/マッドビースト
 

 振り返ることも
 無垢な悲しみに泣いている声はきっと
 赤ん坊のように澄んでいるはず

 朝がくれば泣いている
 あなたの声はきっと疎ましいけど
 あなたの居ない目覚めは
 ひとりの眠りより私を失望させる

 ひまわりにはならないで
 時期がくれば汚れてしまうから
 泣きつづけていて
 命を削るあなたの声を私は聴いているから
 あなたが絶えるときには私が土に埋めてあげるから
 
 すこし眠っていて
 悲しみを土に捨てて
 また次の夏に 殻を脱いで起き上がってきて
 
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