いつか見る視界の為に/キリギリ
 
グシャっと潰れたケーキの中から愛に満ちたメッセージが
書かれたチョコ板を1枚引き抜いてクリームまみれの指で
プレゼントする恋人たちは変態だ片方が詩人だったらなおさら。
常識やモラル、一般的な衛生観念からも遠く離れたところに
恋人たちはいて今日も洗わない陰茎すらしゃぶれるほどの愛が
神性を増し我々から遠ざかる。図書館は本を読むところです。
妊娠するところではありませんしかし愛だけが可能にする不可能な何かが
棒読みの台本に抑揚を与え白米にごま塩を与え唇に潤いを与える。
幸福とはきっとそういうものだと納得顔の男女がそれを真似る。
そして否が応にもクリスマスは燃え上がる。スタジオにお返し
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