香る/かんな
朝が嫌いだった
眩しいくらいの朝焼けが
カーテンを通り抜けて
わたしを叩き起こすような
十代の頃
セルフサービスの朝食
くりかえしのニュース
軽い頭痛に
制服を着せて
コントラディクション(矛盾)
そんな名前の香水を
ふりかけて
駅に向かう
電車に乗って
歩きなれた近道を通ると
十五分程で学校についた
何にも抗えないなまぬるい現実を
抱えたようなわたしが
わたしを嫌いだった
昼が嫌いだった
わけじゃない
それらしく勉強をして
疲れると保健室でまどろみ
時々生物準備室に遊びにいった
昼ごはんは
学校を抜け出して
よくコンビニへいった
放課後は
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