アルバトラス/《81》柴田望
そろそろしおどきだ
あほうどりはかぜさえあれば
どこまでもゆける
かたくなにかわらないひびが
おわろうとしている
はっきりとしたあてはないが
つぎのきせつがかぜをはこぶ
あほうどりはかぜとなり
すべてのかぜはあほうどりになる
そろそろしおどきだ
おやぺんぎんのくちばしからひったくる
まけたおすあざらしのきずぐちをほじる
あほうどりのかりがはじまる
いちにちじゅうまんきろ
いっちょくせんにらせんをえがく
あほうどりがたびじをえがく
いきるためのしんせいなたたかいとは
やばんでめもあてられない
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