ガレキの森に/BOOKEND
そこにはかつて、わずかばかりの夢があった。
ハタから見れば置き忘れた惜しくもないビニール傘が集められたような場所だけど。
今日が終わるたびにタメ息をつき、
明日が来ることにウンザリしながらも、
何となく寄り添いながら一歩でも遠くへ行くことを思い描いてた。
見え透いたウソと何の足しにもならないカケヒキで穴だらけの夜を埋めようとしてた。
誰しもが通る道じゃないし、通る必要もないだろう。
それでもそこにはわずかばかりの夢があった。
比べてみてもしょうがないけれど、それでも確実にあったんだ。
君にもまた明日がやって来るように。
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