ヨルノテガムたちの絶望/ヨルノテガム
まる
ひとつふたつのヨルノテガムは不満と虚無を唱え
ひとつふたつのヨルノテガムはやっと元に戻ったと
ヨルノテガムを懐かしがった
今度は縦に割ろうじゃないかとヨルノテガムのひとりは
提案し、彼らは苦笑い微笑みを浮かべたのだった
ヨルノテガムたちの朝が
ヨルノテガムたちの眠りを誘うことは自明で
夜が終り、予定が動き出す頃には彼らはもう居なかった
*
ヨルノテガムがショパンの「雨だれ」を弾いている
ヨルノテガムの雨が雨どいをつたい落ちる
ヨルノテガムたちの家の中にはヨルノテガムたちが
重なり合っていて お前は必要だ、お前は必要だと
手を繋ぎ合っている
それを
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